処理紹介 - 接着接合下地用アルマイト
「TAF AD」
従来の下地処理と比較して高い信頼性を保ち、環境負荷の低減やリードタイムの自由化を可能にします。
TAF ADとは
「TAF AD処理」は従来の下地処理と比較して高い信頼性を保ち、環境負荷の低減やリードタイムの自由化を可能にできる接着接合下地用特殊アルマイト処理です。
TAF ADを使用することで、下地性能の向上や、接着剤を使用しない接着も可能となります。付加価値の高い新製品や製品生産工程設計の改良など可能性が拡大できます。
接着接合とは
接着には糊付けのイメージがあり、低強度の接合法と思われているケースが多いです。確かに応力で比較すると溶接に及ぶべくもないですが、接合面積が稼げる箇所では高い強度を発揮できます。また異種材質の接合が可能であり、接合時に高温を必要としないなどの特性を有します。
アルミニウム·樹脂接合系が対象となる用途・技術分野は非常に多岐にわたり、構造の軽量化、接合部の強度·信頼性向上、生産性の向上、コストダウンなどの用途に使用される場合が多いです。これらは優れた接着強さと過酷な使用条件に耐える接着耐久性が要求され、アルミニウムの接着耐久性は被着材(アルミニウム)の表面処理が重要な鍵となります。例えばアルミニウムに塗装する場合、表面処理なしではほとんどの塗料で問題を生じてしまいます。
従来の皮膜との違い
TAF AD 処理は従来のクロム酸化成皮膜処理や硫酸陽極酸化処理と比較して、密着強さで大きく上回る値が得られ、150℃加熱後も密着強さの劣化は見られません。
使用期限(接着までの皮膜寿命)について
通常の硫酸陽極酸化皮膜を塗装や接着の下地として用いる場合には、皮膜の自然封孔と呼ばれる経時変化により下地の密着強さが失われていくため、処理後直ちに(少なくとも 1週間以内に)塗装・接着の次工程へ進めなければならない事が知られていますが。一方で TAF AD 処理をした皮膜は処理後 1 年以上経過した場合であっても良好な密着強さを保つ特性があり、実用上大きなメリットと言えます。
なぜ高い接着強度が得られるのか
TAF AD 処理されたアルミニウム合金における高密着性は、適切に制御された孔径をもつ陽極酸化皮膜の多孔質層に樹脂が浸透し、アンカー効果が生じることで発揮されるものと考えられています。このことから、接着剤を使用することなく各種樹脂を直接接合し、アルミニウム合金-樹脂複合材料を作製する有力な手法として、今後も各種用途への展開が期待されています。
用途
01. 高放熱アルミニウムプリント基板下地
02. 化学処理装置の封止材接合下地
03. 布とアルミの接着など様々な組み合わせが可能
04. その他アルミ樹脂複合材料化の為の下地
■ 例
・塗装やコーティングの下地
→塗膜密着性の向上、バインダー不要
・アルミ部品同士、または異種材質の接着下地
→接着強度の向上
その他アルミ-樹脂複合材料など様々な分野で活かすことが出来ます!!
下地としてのTAFシリーズ
また、高耐電圧をもつクラックレスアルマイト【TAF TR】と組合せることで高放熱絶縁下地皮膜が得られます。プリント基板をはじめとする、放熱性が求められる場合に効果的です。 TAF ADとTAF TRを組み合わせることにより、耐食性や耐熱性をを向上させることが可能です