処理紹介
「低反射アルマイト」
紫外~可視~赤外域まで使える低コストの低反射アルマイト。
赤外線カメラ、検査機器の迷光防止や解像度改善などに!
低反射アルマイトとは
【低反射アルマイト】は弊社が独自に開発した紫外~可視~赤外域まで低反射率を実現する黒色のアルマイトです。 製品の外観は艶消しの黒色で、耐久性の高い色材を特殊技術によりアルマイト皮膜の中に閉じ込めたものです。 この結果、低反射性能以外にも耐食性や硬さ、耐熱性等も兼ね備えたアルマイトとなっております。
低反射アルマイトの特長
塗装やめっきは触ったり摺動すると、膜の表面構造が破壊されやすく、粉塵の発生や光沢が出ることがありますが、弊社の低反射アルマイトは、アルミニウム母材を酸化して強固な皮膜をつくる表面処理であるため、膜の脱落がなく、摩擦に強い特徴が有ります。寸法精度やつきまわり(均一性や複雑形状への施工性)も優れるほか、無機着色をしているため、熱や紫外線への耐久性も優れます。
アルマイトの場合、内径部や複雑な形状でも表面処理ができ、遮光線などの微細形状が埋まらず母材表面を活かすことができます。
塗装やめっきで低反射性を持たせる場合の表面はモスアイ構造や粒子を分散させた形状になっているため欠落し易いですが、アルマイトであれば構造を強固なまま維持できます。
低反射アルマイトの全反射率
低反射アルマイトの全反射率
▼低反射アルマイトの全反射率(可視~近赤外)データを示します。現在開発中の3種類は、量産品のTAF TR SBKよりも更に反射率が低くなります(吸収率が高くなります)。
低反射アルマイトの長波長域の全反射率
▼低反射アルマイトの量産品TAF TR SBKと、開発品3種類の長波長域(近赤外〜遠赤外)の全反射率を示します。
低反射アルマイトの正反射率
600nm、900nm、1500nmの波長ごとに、入射角毎の正反射率を示します。
低反射アルマイトの用途
赤外線センサー、LiDAR、分析機器、測定機器、検査装置、生産設備、制御機器において下記の目的で採用/採用検討が行われています。
- (1)迷光防止・・・鏡筒、分光器などに施工することでノイズの除去が可能です。
- (2)高コントラスト化・・・検査ステージ、コンベアなどに施工することで、被観察対象を鮮明な画像で検出できます。
- (3)高出力光の装置外への漏れ防止・・・装置内面に施工することでレーザー光などの漏れを抑制するとともに、装置外装に施工することでレーザー照射による外観劣化を防ぎます。
- (4)光学的信号・・・エンコーダ等の赤外線非反射板として使用できます。
- (5)ステルス性能・・・車両や航空機、船舶など外装に施工することで、赤外線センサの無効化が期待されます。
分野は航空宇宙・医療・気象・防災救助・発電設備・農業のほか各種自動化技術など様々です。
【NEW】低反射アルマイト
「TAF TRSBK」
- 高耐久性も併せ持つ紫外~可視~赤外の全波長域の吸収に優れたアルマイトです。光学検査機器の迷光防止や解像度改善などにお役立てください!
技術レポート
「表面処理技報」
- 「表面処理技報」 耐熱性のあるアルミニウム陽極酸化被膜 - 耐熱クラックレス超硬質アルマイトTAF TRの諸特性 -
他社と差がつく決定版
「表面処理の問題解決事例集」
- 知らないともったいない!? アルミ×表面処理の成功パターン!高寿命、性能向上、品質改善、軽量化、コストダウンに
【NEW】カタログ
特殊機能アルマイト (2024)
- 「特殊機能アルマイト」の皮膜性能・特長を最新のデータで記載!拡がり続ける可能性「アルミを変える世界を変える」2024年9月版